ICT活用推進部

ICT活用推進部の取り組みなど

ICT活用に関する調査まとめ

ICT活用に関する調査をまとめました。

まずは7月と2月に行った調査の比較です。

ICTの活用状況ですが、2月は活用の量が減少傾向となりましたが、全体としては多様な教科・領域の学習で利用が定着してきました。

児童生徒の情報活用能力については、合理的配慮での活用に変化が見えました。

さらに、令和3年度から令和6年度までの4年間の調査を比較、分析しました。

ICTの活用状況は、生活単元学習、国語、算数・数学、音楽、図工・美術、保健体育でよく使われているだけではなく、朝の会・帰りの会といった場面での活用が充実していました。

児童生徒の情報活用能力については、情報の取得に関して「できる」傾向がみられ、情報を主体的に扱うことができるようになってきました。

開校から6年間で、学校全体のICTを活用する量的な増加だけではなく、それに伴った児童生徒の情報活用能力の成長もありました。
ICT活用と情報活用能力育成の基盤が完成した、と言えるのではないでしょうか。


その他、調査についてのまとめ資料は↓のスライドからご覧ください

デジタル連絡帳活用研究 アンケート・インタビュー・ログ分析まとめ

デジタル連絡帳の活用に関する研究として、実態や意識等の調査を行っています。

アンケートは2月に2回目を行い、活用状況や意識の変化などを比較しました。

インタビューは、デジタル連絡帳を利用している保護者および本校職員の一部に協力いただき、意見や考え、取り組み方をお聞きしました。

ログは、MicrosoftTeamsのログを毎月取得して、そこから活用状況の変化を分析しました。

これらの調査の結果をダイジェスト版として動画にまとめました。

デジタル連絡帳活用研究 アンケート7月

デジタル連絡帳の活用についての研究の一環で、本校教職員とデジタル連絡帳を利用している保護者にアンケートを実施ました。

職員の回答数は102名中78名 76.5% 保護者の回答数は利用者38名中24名 63% でした。


利用する時間帯と操作についての比較です。お昼以降午後の活用が多いのに対し、保護者は朝の時間帯に利用していることがわかります。

デジタル連絡帳への記入内容についてです。職員からは学校での様子についてが多く、保護者からは欠席や通院などのお知らせが多くなっています。

デジタル連絡帳のメリットの比較です。職員は連絡がすぐにできるようになったこと、保護者は時間を気にせず使えるようになったことがメリットと感じています。

デメリットについても比較してみました。職員、保護者ともに記入や見忘れをデメリットと感じています。

生徒・お子さんにもデジタル連絡帳を使わせるとしたらどう考えているかの比較です。使わせてみたいと考えている割合がそれぞれ30%程度ありました。

デジタル連絡帳・ノート連絡帳の評価点の比較です。ノート連絡帳の評価点はデジタル連絡帳を利用していない職員からの回答です。デジタル連絡帳の評価点が高くなっています。

デジタル連絡帳を使っている職員と、ノート連絡帳を使っている職員で、連絡帳にかかる時間や作業量を比較しました。(一人分の生徒の連絡帳にかかる時間と文章量)デジタル連絡帳のほうが短時間、文章量も少なくなっています。

同様の調査を再度1月ごろに実施して、今回の調査結果と比較し、デジタル連絡帳の効果等について検証したいと考えています。

パナソニック教育財団研究助成によるデジタル連絡帳に関する研究

2024年度(第50回)実践研究助成の助成先の一つとして、本校が選出されました。

パナソニック教育財団 2024年度研究助成先一覧

MicrosoftTeamsを活用したクラウドのデジタル連絡帳は、すでに試行的に運用していましたが、この度の助成を受けて、本格的な活用と普及を目指した研究を行うことにしました。

 

茨城県 茨城県立石岡特別支援学校

クラウドによるオンライン双方向型デジタル連絡帳の活用による保護者との連携

~クラウドツールの活用による保護者とのコミュニケーション円滑化と日々の様子の蓄積化~

5/24には助成金贈呈式・スタートアップセミナーが行われました。

これを受けて、6/4には、宇都宮大学の齋藤大地先生による研修会を開催し、デジタル連絡帳の活用に向けた考え方や、具体的な操作方法などを学びました。

今後、多くの保護者の方に呼び掛けて、まずは校内でのデジタル連絡帳を普及し、各種調査などを行いながら、デジタル連絡帳の有効性について研究を進めていきたいと思います。

高等部修学旅行でのICT活用

高等部3年生の修学旅行では、生徒個人のICT端末(BYOD端末)やスマートフォンなどを活用しました。

(生徒撮影の写真)

生徒たちから、自分の端末やスマートフォンを使いたいという要望がありました。写真などを撮って思い出を残したい、家族にも見せたい、ということでした。

職員も生徒からの要望を受け、修学旅行で活用するための考え方や指導などについて検討をしました。

高等部職員及び児童生徒支援部とが連携して、生徒たちへの指導を行いました。
あれこれ禁止をするというルールではなく、どのような目的で使いたいのか、使う場面や具体的なアプリなどを生徒たちが考えました。
もちろん、さまざなリスクや責任があることを伝え、楽しさと責任のバランスを加味したうえで、生徒たちは自分たちに適したルールとしてまとめました。

(指導で使ったスライド、ワークシート)

修学旅行の三日間の中で、生徒たちは見学先で友達と写真を取り合って楽しんでいました。お土産を買うときは電卓機能を使い、お金の計算で活用しました。ユニバーサルスタジオジャパンでは、パーク用のアプリを使って、アトラクションのまわり方などを工夫しました。

旅行から帰り、写真を家族に見せて旅行の話をしたようです。さらに、事後学習では、自分たちが撮影した写真をクラウドで共有して、たくさんの写真の中から思い出に残るシーンを選んでポスターにまとめることもできました。

高等部3年間の生活でたくさんICTを活用してきた生徒たちだからこそ、このような場面で優れた活用をすることができた好事例になったと思います。

令和6年度 校内ICT活用調査・情報活用能力アンケートから

令和3年度から、年に2回、校内でICTに関する調査を行っています。

今年度の調査結果についてです。


1.ICT活用状況調査・・・ICTの活用状況についての調査です。1週間(5日間連続)で調査をしました。児童生徒が直接活用している場面のみカウントしてもらっています。(先生が自分の端末の画面を大きく映して見せた、というようなことは含まれていません)

  • どの教科・領域の時間に使っているか

生活単元学習、国語、算数・数学、音楽、図工・美術、などの授業で使われていることがわかります。一番多いのは休み時間ですが、学習に限らず学校生活の多くの場面で活用されています。

同じ調査を1年前と比較してみました。傾向としてはおおむね同じです。

  • 使用したデバイス(端末等)について

iPadの利用が多くなっています。小、中学部でGIGA端末であるiPadが活用されていることがわかります。

本校の特徴としては、教室に備え付けてあるWindowsのノートPCとAndroidが搭載されている大型TVも併せて活用されている点です。

高等部はBYODで個人の端末になっていますが、活用が伸びてきています。

  • 何時間目に利用したか

紫は休み時間なのですが、それ以外の時間でも使われています。特に午前中の授業でよく使われています。午後の授業でも活用が進んできました。

  • 利用人数・・・一日の中で累計何人がICTを使ったか

令和6年度はおおむね850人が使っています。これは12学年分5日間の累計ですので、5で割ると一日当たり170人となります。本校在籍児童生徒数が約200名ですので、85%の児童生徒が使っているということになります。

昨年度の同じ時期は630名で65%弱でしたから、今年度の活用が大きく増えたことがわかります。


 2.情報活用能力調査・・・児童生徒の情報活用能力がどう変化をしているか、児童生徒に直接聞き取った(Webフォームアンケートに回答してもらった)ものです。

  • 情報機器への理解、操作についての質問

写真機能の活用が一番よくできていますが、文字の入力操作が伸びつつあります。たくさん使っているからこそ、文字を入力して使う場面も多くなり、必然的に入力もできるようになってきていることが考えられます。

  • 情報モラル、情報収集・発信についての質問

傾向として大きな変化はありませんが、比較してみると、だんだんと「〇できる」「△ちょっとできる」が増え、「×できない」「?わからない」が減りつつあります。情報をどのように扱うかについての理解の点で、体験を通じて理解した部分や、授業の中で適宜指導されていることが考えられます。経験量が増えることで、伸びていく項目です。

  • 合理的配慮のでの活用に関する質問・・・今年度から追加した項目となります

まだ児童生徒自身が、合理的配慮におけるICT活用を意識的に行えている場面は少ないですが、先生方の知識や活用への意識の高まりによって、今後変化していくことが予想されます。そんな中で、タイマーなどを使った時間管理、写真機能を使ったメモなどでの活用が増えてきました。


これらの調査を通して、ICTの活用数の増加が、児童生徒の情報活用能力の向上に結び付いていることが見えてきた気がします。

さらに詳細に分析していくと、その相関関係を示すことができる可能性がありますが、少なからず、児童生徒の情報活用能力は伸ばすことができる、という確信を持つことはできました。

今後も、学校生活をはじめあらゆる場面でのICT活用を推進し、児童生徒の情報活用能力を高めて、より質の高い学習へと結び付けられるよう、指導・支援をしていきたいと思います。

ICT研修 ICTの合理的配慮での活用

2/1に、校内ICT研修を行いました。

今年度は、ICTの合理的配慮での活用をテーマに研修を行ってきました。

児童生徒の困難さを分析しながら、どのような場面でICTを活用すると有効なのかを、事例検討しながら考えました。

児童生徒の認知機能や実行機能を補助し、学習や生活、問題解決的な活動につなげられるよう、いろいろな場面でのICT活用を想定することができました。

今後も、積極的に合理的配慮の面でもICTを活用していきたいと思います。

作業学習での備品リスト作成業務用アプリ

校内の備品の管理は職員が行っていますが、手間がかかっていることが課題でした。

そこで、高等部の作業学習の喫茶・サービス班に、高等部の教材備品リストの作成を依頼しました。

リスト作成用のアプリをMicrosoft PowerAppsで開発し、それを生徒のBYOD端末にインストールして入力してもらいました。

業務の報告や相談はTeamsのチャットを使いました。

写真まで入れた備品のリストが出来上がり、備品の管理がとても便利になりました。

定期的に在庫確認もしてもらっています。

こうしたICTを活用した仕事への就労などを想定しつつ、学校内で実際に起こっている課題の解決に生徒が活躍しています。

デジタル連絡帳の活用

Microsoft Teamsを利用したオンライン型デジタル連絡帳を活用しています。

保護者の方がお持ちのスマートフォンで利用することができます。

学校からは日々の様子を、詳しくお伝えすることができています。また迅速な連絡もでき、保護者と担任の先生のコミュニケーションが円滑になっています。

保護者との連携が円滑になるだけではなく、教員の働き方にも良い影響を与えています。

資料は↓からダウンロードしてご覧ください。

デジタル連絡帳資料スライド.pdf

3年間のICT活用の取り組みと総括

1月31日にICT研修を行いました。

本校が取り組んできたICT活用実践についてまとめをしました。
各学年のICT活用実態についてと、児童生徒の情報活用能力について、2つの調査を行い、それらの調査結果を集計しました。

ICTの活用時間は、学年で年平均120時間程度でした。活用時間は大きな変化はありませんでしたが、教科学習での利用が増加傾向にあります。国語、算数/数学での個別学習、体育、生活単元学習などでの活用が多いようです。

児童生徒の情報活用能力は、「できない」が減少し「できる」が増加している傾向でした。

※児童生徒を対象とした情報活用能力アンケートの質問項目

ICT活用の具体的な場面についてAIによるテキストマイニングを行ったところ、「動画」を中心とした活用となっていることが分かりました。

10月から「ICT表現作品展」をWeb上で開催しましたが、各学部学年で作品作りに取り組み、デジタルによる表現技術を体験することができました。これにより、写真や動画、AR(拡張現実)などに触れることとなり、情報の取得、加工、表現などの情報活用能力に関わる学習ができました。

「ICT表現作品展2022」

多様な形でICTを活用し、学習や学校生活の中で当たり前のように使う環境になってきました。楽しいだけではなく、ICTを使うことによる効果的な学習や、オンラインでの交流や協働的な学びとなっており、ICTがますます学校生活の中に溶け込んできています。

次年度からは、プログラミング教育や合理的配慮によるICT活用を深めていきたいと考えています。

ちゅうでん教育振興助成

公益財団法人ちゅうでん教育振興財団から助成金をいただきました。
https://www.chuden-edu.or.jp/
2021年度「第21回ちゅうでん教育振興助成」助成金贈呈先一覧
https://www.chuden-edu.or.jp/oubo/oubo1/kekka2021/jyoseiitiran.html


この助成金でタブレット端末を購入し、ICTを活用した表現活動等の学習に活用しました。


写真や動画を撮影し、編集や加工操作を行ってデジタルでの作品に仕上げました。直感的な操作で、自分が表現したいことを、より積極的に取り組むことができました。作品はクラウドサービスを使って共有化して、他の児童生徒の作品や制作の様子などを見ることができるようにしました。また作品の一部はホームページや校内に展示しました。
デジタル作品作りだけではなく、他の学習や学校生活の中でも多様な場面でタブレットを活用しようとし、ICT活用がさらに促進されました。

ICT環境整備・活用の様子など